必要な検査について

2018年6月7日

矯正歯科治療を受ける際、まずは様々な検査を行います。ただ、検査についても医院によって実施する項目が異なるのが現状です。以下に矯正歯科医が行う検査を紹介します。これらの検査が行われるかどうか、是非ご確認ください。
検査は家を建てるときに行う土地の地盤調査と同じ、最も重要な土台です。土台をおろそかにする矯正歯科治療では良い結果が得られません。

/ 01 /口腔写真

治療する前の口の中の写真を撮影します。
どのような処置を行えば最善の結果が得られるか、検討する材料です。

治療前の口腔内写真

/ 02 /顔全体の写真

口の中だけではなく、
治療前の顔全体の写真も撮影します。
治療前後で顔の印象が異なっているのがわかります。

治療前の顔写真

/ 03 /歯型の模型

歯型の模型をつくることで、患者さんの口腔内の状態を再現します。
模型は矯正歯科治療を進める上での様々な分析に役立つのです。
一方、いつでも治療の進め方などを検討することができるようになるため、患者さんの負担を減らすことも可能です。

/ 04 /レントゲン写真

口全体のレントゲン写真を撮影します。むし歯や歯周病の有無、その他歯や骨に異常がないか調べることができます。
顎の関節、骨も調べることで、顎関節症のリスクも確認します。

/ 05 /セファログラムによる写真

セファログラム(頭部X線規格写真:顔面・頭部のレントゲン写真)を用いて顔の横、正面、顎関節の写真を撮影します。
治療前、治療中、治療後に同じ状態で確認することができるため、とくに上顎と下顎の成長を見極めなくてはいけない子どもの矯正歯科治療では必要な設備です。頭蓋骨の中のどこに歯がついているのか、顎が曲がっていないかなど、模型だけでは判断することができない細かな分析が可能です。

セファログラムの写真(正面/横)
顎関節の写真

/ 06 /3次元CTの撮影

レントゲン写真は2次元の情報しか得ることができません。CT(コンピュータ断層撮影装置)を使用することで3次元の情報を得ることができ、さらに細かく精度の高い診断をくだすことが可能です。
まだまだ歯科医院での導入は低く2%未満とも言われています(矯正歯科医院での導入はさらに低い)。見えなかったもの、判断できなかったことなど、より多くの情報を得ることで治療の安全性、正確性が向上するCT検査。矯正歯科治療においても非常に重要な検査です。

/ 07 /顎機能の検査

アキシオグラフは、顎の動き、噛み合わせを検査するシステムで、咬筋(こうきん)と側頭筋(そくとうきん)の筋力を測ることで、噛み合わせの数値化が可能です。これまで噛み合わせが良くなったという成果は感覚的なものでしかありませんでした。数値化が可能になったことで、噛み合わせが良くなって筋力を使えている人、噛み合わせがまだ改善されておらず筋力が使えていない人がはっきりとわかります。
顎に不具合があると、矯正歯科治療がうまくいかない原因にもなります。また、顎関節症、顎の痛み、体のしびれやこりなど、噛み合わせの不具合により身体の他の部分に影響が及ぶこともあります。顎の機能も重要な検査項目です。

/ 08 /その他

上記の検査項目以外にも、必要に応じて歯周病検査、唾液検査などを行います。
矯正歯科医は検査の重要性を理解しているため、これらの検査に多くの時間をかけます。
一方、一般歯科であれば歯型と口腔・顔の写真の撮影程度の検査しか行わないこともあります。

矯正歯科治療で最も重要なのがこれらの検査です。上記の項目が実施されるかどうか、しっかりと自身で確認しましょう。治療の土台である検査をおろそかにしない医院で矯正歯科治療を受けることこそ、満足のいく良い結果につながる最善の方法です。